長年バリ島に住んでいましたが、こんな因習があるなんて今の今まで全く知りませんでした。
「パスン」-”地上の楽園”バリ島に残る地獄の因習|クーリエ・ジャポン
https://courrier.jp/news/archives/232102/より
バリ島には結構沢山のオラン・ギラ(オランは人、ギラは気違い)がいることは知っていました。そして彼らは大抵、人目につかないように家の中に閉じ込められている、ということも。
しかし足枷まであるとは誰も教えてくれませんでした。彼らは家族の恥なので、家の中に監禁されるケースが殆ど、だとしか聞いていませんでした。
きっと外国人の私には自分達の恥部を教えたくなかったのでしょう。
(ただ、私が見たことがあるオラン・ギラは通りを歩いたり外に出ることが出来ていたので、全ての人に足枷がかけられている訳ではないと思います。)
結局、貧しい家庭では生死に関わる病気でもない限り、家族を病院に連れていくなんてことはありませんからね。というかお金が無いからまず出来ない。
貧しい彼らに出来ることはただ、家の中に閉じ込めておく、それだけ。
貧困と無知が生んだ悲劇。
バリ島が”地上の楽園”というのは観光客向けの表の顔です。
華やかで栄えているのは観光客が行く場所だけ。
表は綺麗に着飾っても、裏に行けばまだまだ貧しい人達が沢山いる、貧しい島。
医療も遅れており、事故に遭ったり、大けがをしても適切な治療を受けられず、障害となって残ってしまっている人達も大勢います。
そしてそのような人達も結局は同様に家に閉じ込められてしまうのですね。
だから観光客は彼らの姿を見ることはありません。
インフラも整っていません。
乾燥した南部では大型ホテルや高級住宅地に水を奪われ、住民は飲み水に困っています。電気も足りず停電はしょっちゅう。下水は完備されておらず、ホテルは海に汚水を垂れ流す。
ゴミも大きな問題です。
バリ島はすでにオーバーツーリズム。
観光業で潤っているのは一部の土地持ち金持ちと、ジャワ島の金持ちだけ。
この記事に出てくるような貧しい人達がその恩恵に預かることは、まずありません。
そして例えこの記事のように、慈善団体によって医療の支援を受けられたとしても、結局は抗精神病薬が与えられるだけでその場しのぎ。何の解決にもなりません。
逆に薬の副作用によって症状が酷くなってしまうのがオチなのです。
しかしバリ島における精神疾患患者については、その原因は栄養失調、そして彼らの宗教にあると私は思います。
栄養失調においては、貧しさゆえに幼少期に必要な栄養を摂取することが出来ず、脳が十分に成長できなかった。
そして何よりも彼らの宗教、悪魔教バリ・ヒンズーですよ。
彼らは日々悪霊にお供え物をし、悪魔に祈る生活をしています。
彼らの幻覚や幻聴は悪魔崇拝による霊障だと思います。
それなのに又、僧侶にお金を払ってお祓いなんてしてもらうから、余計酷いことになる。
そもそも、ヒンズー儀式に費やされる多くのお供え物を止め、それに費やされるお金を家族のために使えばいいだけのこと。
悪魔崇拝を止め、そのために使っていたお金を食費に回す。子供に十分な栄養を与える。
これだけでかなりの精神疾患が減るのではないでしょうか。
バリ・ヒンズーは本当に金がかかる宗教です。ガルンガン、クニンガンは6か月毎、そしてニュピは毎年。それ以外にもお寺の建立祭オダランはしょっちゅう。家族の年齢ごとの儀式もしょっちゅう。
彼らはバリ・ヒンズー儀式の為に生きている、と言っても言い過ぎではないと思います。
それを夫に言うと、夫曰くそれら儀式は宗教じゃなく、単なる「習慣」、なんだそうです。
アレ、宗教じゃないんですね(だったら止めればいいのに)。
最近はバリの若者でも、こういった儀式を無意味だと思い、避ける人が出てきているようです。
これはグッドニュースです。
何の教理も無く、それ故何の根拠も無い行いに、世界に目が開かれた若者たちが価値観を見出せないのは当たり前の話。
そういう若者たちがどんどん増えていって欲しいです。
多分これから、時代にそぐわないバリ・ヒンズーは廃れていくと思います。
何故なら悪魔を拝んでも何ひとつとしていいことは無い、ということに人々が気づいていくからです。
バリの人達が悪魔を拝んで人生を破壊する生き方から、神様を拝んで人生を幸福にする生き方へと変わっていって欲しい。
それが私の願いです。
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最終更新日 : 2021-03-21